乾癬

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乾癬について

乾癬について

乾癬(かんせん)は、皮膚の新陳代謝に異常をきたす慢性の炎症性皮膚疾患です。通常、皮膚の細胞は約1か月半の周期で入れ替わりますが(これをターンオーバーと言います)、乾癬ではこのサイクルが著しく速まり、数日で入れ替わるようになってしまいます。

その結果、白銀色の角質(鱗屑)を伴う赤い斑が特徴的な症状として現れます。症状は軽快と悪化を繰り返すのが特徴で、長期的な経過をたどることが多いです。感染症ではないため、他者への感染の心配はありませんが、症状や見た目によって生活の質(QOL)を損ねる要因となります。

乾癬の原因

乾癬の発症メカニズムは具体的には明らかになっていませんが、免疫異常が深く関わっているとされています。また、以下のような環境要因も症状の誘発や悪化に影響を与えることも知られています。

  • 過度なストレス
  • 不規則な生活習慣
  • 皮膚への物理的刺激
  • 特定の薬剤の使用
  • 気候の変化
  • 細菌感染症 など

乾癬の種類と症状

尋常性乾癬

比較的よく見られるタイプで、境界が明確な赤い斑に銀白色の鱗屑を伴います。肘、膝、頭皮、腰部などに好発し、かゆみを伴うことがあります。

滴状乾癬

水滴のような小さな発疹が全身に散らばるタイプです。主に小児や若年者に見られ、風邪や扁桃腺炎などがきっかけとなって発症することが多いです。原因となった感染症の治療により改善することが多いですが、時に尋常性乾癬に移行することもあります。

膿疱性乾癬

全身に赤みが広がり、その上に無数の小さな膿疱が現れます。発熱や倦怠感といった全身症状を伴い、重症化すると入院治療が必要となることもある緊急性の高い病型です。

乾癬性関節炎

皮膚症状に加えて関節の炎症を伴うタイプです。関節の痛みや腫れが特徴で、進行すると関節の変形をきたすこともあります。早期発見・早期治療が特に重要です。

乾癬性紅皮症

乾癬が重症化して全身の90%以上の皮膚に炎症が及んだ状態です。全身の発赤と細かい鱗屑の剥離が特徴で、発熱や倦怠感などの全身症状を伴います。比較的まれなケースではありますが、乾癬の不適切な治療や治療の中断により発症することがあり、重症例では入院治療が必要となります。

乾癬の治療

薬物療法

薬物療法

外用療法では、ステロイド外用薬やビタミンD3外用薬を使用して炎症を抑制し、皮膚の新陳代謝を正常化することを目指します。これらは単独で、あるいは組み合わせて使用することで、より効果的な治療が期待できます。

症状が広範囲にわたる場合や、外用薬での改善が不十分な場合には、内服薬による治療を行います。レチノイドやシクロスポリン、メトトレキサートなど、様々な薬剤の中から最適なものを選択します。

紫外線療法

特殊な波長の紫外線を照射することで、免疫反応を調整し、炎症を抑制します。症状の程度に応じて、他の治療方法と組み合わせることもあります。

※提携医療機関へのご紹介となります