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多汗症について

多汗症は、気温や運動とは無関係に過剰な発汗が生じる疾患です。単なる「汗かき」とは異なり、日常生活に支障をきたすほどの発汗が特徴で、衣服の汗染みや体臭の問題から社会生活や対人関係に影響を及ぼすこともあります。
症状は年齢を問わず発症しますが、特に思春期以降に悩まれる方が多くいらっしゃいます。適切な治療により症状のコントロールも可能ですので、お悩みの方は早めの受診をおすすめします。
多汗症が起こりやすい部位
わきの下(腋窩多汗症)
多汗症のお悩みでも特に多い部位で、衣服の汗染みや体臭の原因となります。外目にも目立ちやすい部位ですので、社会生活に影響を与えやすい多汗症と言えます。また、わきが(腋臭症)の原因の一部となることもあります。
手のひら(手掌多汗症)
手のひらに大量の汗をかくため、握手や書類の取り扱いに支障をきたすことが多いです。特に接客業や事務職の方は、仕事に大きな支障をきたすことがあります。
足の裏(足底多汗症)
靴下や靴の中が常に湿った状態となり、不快感だけでなく、においやみずむし(白癬)などの皮膚トラブルの原因にもなります。
多汗症の原因

多汗症の主な原因は、汗腺を制御する自律神経系の過剰反応です。これには遺伝的要因が関与していることが多く、家族歴のある方も少なくありません。
また、精神的なストレスや不安によって症状が悪化することも知られています。まれに、甲状腺機能亢進症などの基礎疾患が原因となっている場合(二次性多汗症)もあるため、必要に応じて検査・治療を行う必要もあります。
多汗症の治療
塩化アルミニウム外用
塩化アルミニウムには、皮膚の角層と結合する性質があります。この性質を利用し、塩化アルミニウム液を皮膚に塗布することで、汗腺の開口部を物理的に塞ぎ、過剰な発汗を抑制する方法です。特にわきの下の多汗症に効果的で、ご自宅でも継続的に使用できます。
抗コリン薬外用
汗腺に直接作用する薬剤を塗布し、過剰な発汗を防ぐ方法です。効果には個人差がありますが、継続使用で症状の改善が期待できます。塗るタイプ(エクロックゲル)と、シートタイプ(ラピフォートワイプ)があり、わきの多汗症に保険適用があります。
ボトックス注射
ボツリヌス毒素から精製した薬剤を皮下注射することで、神経から汗腺への信号伝達を遮断します。効果は半年から1年程度持続し、わきの多汗症の一部には保険適用が可能です。