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虫さされについて

虫さされの多くは、かゆみや皮膚の発赤、腫れなど、何らかの皮膚症状を伴うことが多いです。単なる不快な症状として見過ごされがちですが、時として重篤な合併症を引き起こすこともあるので、軽視せずに経過には十分に注意してください。
特に小さなお子さんはかき癖がつきやすく、かいた傷から二次感染を起こすリスクもあるため、適切な対応が重要です。原因不明の虫さされがある場合や、虫さされ後の症状にお困りの場合は、お気軽に松原市・河内天美駅のおおはし皮フ科・形成外科クリニックへご相談ください。
原因となる虫の一例
蚊
吸血に伴う唾液の注入により、皮膚に赤い小さな膨疹(腫れ)が現れます。膨疹は通常数日で消失しますが、かき傷から二次感染を起こすことがあります。蚊は感染症を媒介することもあるので、特に海外渡航時には注意が必要です。
ダニ
イエダニやツメダニによる刺咬で、しこりを伴う強いかゆみが特徴です。好発部位は太もも、腹部などの柔らかい部分です。市販薬での改善が見られない場合には、早めの受診をおすすめします。
マダニ・ヒゼンダニ
野外活動で遭遇するマダニは、皮膚に長時間付着するのが特徴です。刺咬による痛みなどはないものの、適切に虫体を除去しないと体の一部が体内に残ることがあります。一方、ヒゼンダニは疥癬(かいせん)という感染症を引き起こし、強いかゆみや皮疹を引き起こします。抗生剤や駆虫薬による治療が必要です。
同じ“ダニ”による虫さされではあるものの、上述したイエダニやツメダニとは異なる専門的な治療が必要になりますので、混同しないようにしましょう。
毛虫
毒を持つ毛が皮膚に刺さることで、接触部位に激しいかゆみや痛み、発赤が生じます。直接触れなくても、風で飛んできた毛や、付着した衣類を介して症状が出ることがあります。
ハチ
強い痛みと腫れが特徴で、ハチの持つ毒によって全身症状(アナフィラキシーショック)を起こす危険があります。スズメバチやアシナガバチによる死亡例は毎年報告されているので、活動が活発になる夏場は要注意です。
刺された際はむやみに動かず、15~30分ほどは安静を保って経過を観察するようにしてください。そしてなるべく早く当院を受診してください。
ブユ(ブヨ)
小さな吸血性の虫で、唾液に含まれる毒素により、刺された部位に激しいかゆみと腫れを引き起こします。症状は数日から1週間程度続き、かき傷による二次感染に注意が必要です。
ムカデ
患部周辺の鋭い痛みと発赤、腫れが特徴で、毒が全身に広がると発熱や頭痛、めまいなどの全身症状が現れることもあります。小さなお子さんの場合は大人より症状が強く出るため、全身症状が現れた場合には速やかに受診するようにしてください。
虫さされの主な症状

症状は昆虫の種類によって異なりますが、多くに共通する反応として、患部のかゆみや発赤、腫れなどが挙げられます。刺された直後には症状が見られなくても、数時間後以降にかゆみが強くなり、症状のピークを迎えることが多いです。
通常は数日で自然に軽快しますが、体質や虫の種類によっては重度のアレルギー反応を引き起こすことがあります(特にハチに複数回刺された時)。特に注意が必要なのは呼吸困難や意識の混濁といったアナフィラキシーショックが現れた場合で、命に危険が及ぶこともあるため、緊急の処置が必要となります。
虫さされの治療
薬物療法
治療の基本は、症状の緩和と合併症の予防です。虫さされの状況や患者さんの体質にもよりますが、主に以下の治療薬を用います。
- ステロイド外用薬…炎症の抑制
- 抗ヒスタミン薬…かゆみの軽減
- 抗生物質…感染症の予防や治療
- 駆虫薬…虫体の除去(ヒゼンダニなど)
虫さされに気づいたら
虫さされに気づいた際は、まず患部を流水で洗い、清潔に保つようにしてください。虫の歯や針などが残っている場合は、セロハンテープやピンセット等を使用して可能な範囲で取り除きます。ただし、かえって深く刺さってしまうこともあるので、無理な処置は厳禁です。
また、誤った処置によってかえって症状を悪化させてしまうケースも少なくありません。虫さされ時には迷信も多いため、不確かな情報による処置は行わず、速やかに当院へご相談ください。
なお、ハチ(特にスズメバチやアシナガバチ)に刺された場合は、アナフィラキシーショックに注意が必要です。症状が酷い場合には救急車を呼ぶなどして、できるだけ早く適切な処置を受けてください。