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湿疹について

湿疹は、皮膚に生じる炎症反応の総称で、症状や原因は実に様々です。皮膚の赤みやかゆみ、ブツブツなどの症状が特徴的で、年齢を問わず誰にでも起こり得る皮膚トラブルと言えます。気になる症状が生じても、すぐに治まることもあるため放置してしまいがちですが、湿疹が慢性化すると皮膚が固くなったり、色素沈着を起こしたりする可能性があります。
皮膚は外界との境界にある重要な器官で、日々様々な刺激にさらされています。そのため、体調の変化や環境要因によって皮膚の防御機能が低下すると、普段は問題のない刺激でも湿疹を引き起こすことがあります。湿疹の原因を特定・改善しない限り繰り返すこともあるので、症状が気になる場合は、お早めにご相談ください。
湿疹の種類と原因
アトピー性皮膚炎
遺伝的要因や環境要因など、様々な要因が複雑に関連して発症する湿疹です。乳児期から成人期まで幅広い年齢層で発症し、強いかゆみを伴う湿疹を繰り返すことが特徴です。体質的な要素も強いため、適切な治療とスキンケアの継続が重要です。
かぶれ(接触皮膚炎)
特定の物質への曝露(接触)によって起こる湿疹です。アレルギー性と刺激性の2種類があり、日常生活においては化粧品、金属、植物などが一般的な原因となります。接触後、数時間から数日で症状が現れることが多いため、診察・検査によって原因物質を特定し、それらとの物理的な接触を避ける必要があります。
脂漏性皮膚炎
文字通り、皮脂の過剰分泌が原因となる湿疹で、皮脂分泌が多い部位(頭皮、眉間、鼻周り、胸部など)に好発します。赤み、かゆみ、鱗屑(フケのような皮)の脱落などが特徴的で、ストレスや気候変化による皮脂分泌の変化も原因となります。
皮脂欠乏性湿疹
皮膚の乾燥が主な原因となる湿疹です。皮膚の保湿機能の低下によって起こり、その性質上、冬季に発症・悪化するケースが多く見られます。皮脂分泌が低下する高齢者に多く見られますが、年齢を問わず発症する可能性があります。
乳児湿疹
生後間もない乳児に多く見られる湿疹です。主な原因は皮脂分泌の過剰や外部刺激への反応で、症状は年齢とともに自然軽快することが多いですが、重症化を防ぐため早めの対応が重要です。乳児湿疹に限らず、赤ちゃんは肌のバリア機能が未熟なため、様々な肌トラブルに見舞われやすいので、気になる症状がある時にはお早めに当院へご相談ください。
おむつかぶれ
おむつで覆われた部分の蒸れや摩擦、尿や便による刺激が原因で発症する湿疹です。定期的なおむつ交換と適切なスキンケアで予防できますが、改善が見られない場合は他の皮膚疾患の可能性もあります。
湿疹の治療
薬物療法
湿疹が見られる場合は、まずはその原因を特定したうえで、薬物療法による症状の緩和を試みます。具体的には以下のような薬剤を用います。
なお、湿疹・皮膚炎用の市販薬も多数販売されています。原因が明確で症状が軽い場合は良いですが、その他の場合は誤った薬剤選択で症状を悪化させることもあります。自己判断せず、必ず医師に相談するようにしてください。
- ステロイド外用薬…炎症の抑制
- 抗ヒスタミン薬…かゆみの軽減
- 保湿剤…皮膚のバリア機能の回復
適切なスキンケア

正しいスキンケアによって肌を清潔に保つことも大切です。薬物療法とあわせて、肌質に合わせた洗顔料やシャンプーの選び方、正しい洗い方(強く擦らない)、低刺激製品の使用など、日常的なケア方法をアドバイスいたします。