- HOME>
- みずむし (白癬)
みずむしについて

みずむしは医学的には「白癬(はくせん)」と言い、白癬菌というカビの一種に感染することで起こります。一見すると単なる皮膚の荒れのように見えるため、放置されがちな疾患ですが、適切な治療を行わないと症状が慢性化したり、家族への感染を引き起こしたりする可能性があります。
白癬菌は高温多湿な環境を好んで繁殖する性質があるので、梅雨や夏場に症状が悪化しやすいのが特徴です。特に糖尿病などの基礎疾患がある方は、細菌類への抵抗力が落ちている状態ですので、みずむしへ感染しやすい傾向にあります。
みずむしの原因
白癬菌自体は私たちの身近に存在する真菌(カビ)の一種で、高温多湿な環境を好んで繁殖します。例えば、公共の浴場や温水プール、更衣室などの床、また家庭では浴室の床やバスマットなどが代表的な生息環境です。
感染リスクが高まる要因としては、革靴やブーツなど蒸れやすい靴の長時間着用、素足での歩行、靴下の取り替えが不十分な場合などが挙げられます。また、汗をかきやすい体質の方や、免疫力が低下している方は特に感染しやすい傾向にあります。
みずむしの種類と症状
趾間型
足の指の間に発生するタイプで、みずむしの中でも特に症例が多く見られます。皮膚が白くふやけたようになり、かゆみを伴います。進行すると皮がむけてジクジクとした状態になるほか、独特のにおいを伴うこともあります。
小水疱型
足の裏に小さな水疱ができるタイプです。かゆみと痛みを伴い、水疱が破れると皮むけを起こします。特に歩行時の不快感が強く、日常生活に支障をきたすことがあります。
角質増殖型
かかとや足の側面に現れ、皮膚が厚くなって硬化するタイプです。ひび割れを起こしやすく、放置すると深い亀裂になることもあります。後述する爪白癬を併発するケースも少なくありません。
爪みずむし(爪白癬)
爪に感染するタイプで、爪が白く濁ったり黄色く変色したりします。また、爪が厚くなって変形したり、もろくなったりするのが特徴です。進行すると変形した爪が皮膚に食い込んで痛みが生じることもあります。
みずむしの治療
薬物療法
治療の基本は抗真菌薬による薬物療法です。症状が軽い場合は外用薬による治療が主体となりますが、爪に感染している場合や症状が重症化している場合は、内服薬による治療が必要となることもあります。
完治の確認・感染予防

治療を始めて症状が改善したからといって、すぐに治療を中止してはいけません。見た目の症状が改善しても、皮膚の深部に菌が残存していることがあり、治療を途中で中断すると再発する可能性が高くなります。
また、周囲への感染拡大を防ぐことも重要です。みずむしが完治するまでは、以下に注意しましょう。
- 足の清潔を保ち、入浴後はしっかり乾燥させる
- 靴下は毎日取り替え、蒸れにくい素材を選ぶ
- 公共の浴場では必ずサンダルを使用する
- 家族間でスリッパや靴下を共有しない
- 通気性の良い靴を選び、同じ靴の連日使用を避ける など